【名台詞0033】櫃内様刻は言いました [「世界」(きみとぼく)シリーズ]
試験用紙が配られたとき、一番最初に考えなければならないのは、どの問題から先に解くのか、その順番だ。問題に対する解答は、一つずつ、順番に順番に、慎重に慎重に、片付けなければならない。全体を俯瞰し、個別に撃破、基本である。
【名台詞0028】病院坂黒猫は言いました [「世界」(きみとぼく)シリーズ]
【名言0018】櫃内様刻はかく語りき [「世界」(きみとぼく)シリーズ]
【迷場面0107】「お兄ちゃん、ちょっぴりどきどきしちゃったよ」 [「世界」(きみとぼく)シリーズ]
「何、かな?」
「本棚しか見ないなら……別に」
「うん?」
「別に、部屋に入っても……」
後はごにょごにょと、聞き取れなかったが、それこそ皆までいう必要はない。僕は服の裾をつかんだ夜月の手を取って、「ありがとう、夜月」と言った。
「大丈夫。簞笥の下着類の奥に夜月が大事に隠している秘蔵のボーイズラブ小説にだけは、絶対手を出したりしないから」
「はうっ!?」
顔面蒼白。
「み、見たなっ!? い、いつ見た!?」
「いやいや。すげーな。あれ。お兄ちゃん、ちょっぴりどきどきしちゃったよ」
「ば、ば、馬鹿っ! 大嫌い! はやく出てけ!」
「あはは」
【名台詞0025】櫃内様刻は言いました [「世界」(きみとぼく)シリーズ]
【名台詞0024】櫃内様刻は言いました [「世界」(きみとぼく)シリーズ]
【名台詞0020】櫃内様刻は言いました [「世界」(きみとぼく)シリーズ]
【迷場面0059】「この天然はまちが……」 [「世界」(きみとぼく)シリーズ]
「ふや子さん……ぼくは夕焼けが好きなんですよ」
西の空に沈んでしまった太陽に思いを馳せながら、ぼくはそんなことを言った。
「え? なんで? 影の足が長く見えるから?」
「ぐっ……!」
この女。
こぐ姉ばりの天然ぶりを見せてくれる。
「この天然はまちが……」
西の空に沈んでしまった太陽に思いを馳せながら、ぼくはそんなことを言った。
「え? なんで? 影の足が長く見えるから?」
「ぐっ……!」
この女。
こぐ姉ばりの天然ぶりを見せてくれる。
「この天然はまちが……」
【迷場面0030】「イタリア語ー!?」 [「世界」(きみとぼく)シリーズ]
「あ……」
無言の僕をどう受け取ったのか、夜月は慌てたように、「ご、ごめんなさい」と、言った。振り向かないままに。
「今、ちょっと我が儘なこと言ったよね?」
「かなり」
「かなり……」
「超絶」
「超絶っ!?」
「ディ・モールト」
「イタリア語ー!?」
無言の僕をどう受け取ったのか、夜月は慌てたように、「ご、ごめんなさい」と、言った。振り向かないままに。
「今、ちょっと我が儘なこと言ったよね?」
「かなり」
「かなり……」
「超絶」
「超絶っ!?」
「ディ・モールト」
「イタリア語ー!?」
【迷場面0019】「ど、どうするんですか、これ……」 [「世界」(きみとぼく)シリーズ]
そうか、病院坂先輩はピッキングをするつもりなのだ。特殊なテクニックだとは聞くが、病院坂先輩のことだ、きっとそれができるに違いない。やはり一人奇人ともなると持っているスキルが違う……そうとわかれば、見物の一手に尽きる。ぼくは病院坂先輩に、
「では、お任せします」
と見せ場を譲った。
病院坂先輩は取り出した金槌でドアノブを打った。
えい。えい。えい。えい。えい。
そんな感じに一心不乱に。
打った。打った。打った。打った。打った。
壊れた。
見ましたか、串中くん。
病院坂先輩はそう言わんばかりの得意げな表情でぼくを見たが、ぼくとしてはできれば見たくなかった。
「ど、どうするんですか、これ……」
「では、お任せします」
と見せ場を譲った。
病院坂先輩は取り出した金槌でドアノブを打った。
えい。えい。えい。えい。えい。
そんな感じに一心不乱に。
打った。打った。打った。打った。打った。
壊れた。
見ましたか、串中くん。
病院坂先輩はそう言わんばかりの得意げな表情でぼくを見たが、ぼくとしてはできれば見たくなかった。
「ど、どうするんですか、これ……」
【迷場面0012】「ナイスなキャッチコピーだし!」 [「世界」(きみとぼく)シリーズ]
「え、この体勢じゃわたし真下が見えないからちょっとわからないんだけど、串中、それ一体何の音!?」
「携帯電話のカメラのシャッター音ですが、何か」
「あんた友達のパンツを撮影してるの!?」
「ビデオデッキやパソコン、インターネットが普及した理由はエロスと切り離せません。同様に携帯電話も……」
「携帯電話が普及した理由にエロスは関係ねえーっ!」
ボーイッシュな言葉遣いになっていた。
しかしパンツは女の子である。
「やめろやめろやめろーっ! 女子のスカート付近での携帯電話の使用はご遠慮ください!」
「マナーも一緒に電源を切りました」
「ナイスなキャッチコピーだし!」
「携帯電話のカメラのシャッター音ですが、何か」
「あんた友達のパンツを撮影してるの!?」
「ビデオデッキやパソコン、インターネットが普及した理由はエロスと切り離せません。同様に携帯電話も……」
「携帯電話が普及した理由にエロスは関係ねえーっ!」
ボーイッシュな言葉遣いになっていた。
しかしパンツは女の子である。
「やめろやめろやめろーっ! 女子のスカート付近での携帯電話の使用はご遠慮ください!」
「マナーも一緒に電源を切りました」
「ナイスなキャッチコピーだし!」
【迷場面0003】「小細工は無用という感じだった」 [「世界」(きみとぼく)シリーズ]
「ま、防犯上の知識って意味じゃ、一度見たかったんだ、ピッキングって奴。よし、後学のためだ。僕が許す。やってみせてくれ、くろね子さん」
「えい」
病院坂は取り出した金槌で鍵穴を打った。
「えい。えい。えい。えい。えい」
打った打った打った打った。
壊れた。
「見たかね、様刻くん」
「できれば見たくなかった」
「細工は流々だ」
「小細工は無用という感じだった」
「えい」
病院坂は取り出した金槌で鍵穴を打った。
「えい。えい。えい。えい。えい」
打った打った打った打った。
壊れた。
「見たかね、様刻くん」
「できれば見たくなかった」
「細工は流々だ」
「小細工は無用という感じだった」