【迷場面0107】「お兄ちゃん、ちょっぴりどきどきしちゃったよ」 [「世界」(きみとぼく)シリーズ]
「何、かな?」
「本棚しか見ないなら……別に」
「うん?」
「別に、部屋に入っても……」
後はごにょごにょと、聞き取れなかったが、それこそ皆までいう必要はない。僕は服の裾をつかんだ夜月の手を取って、「ありがとう、夜月」と言った。
「大丈夫。簞笥の下着類の奥に夜月が大事に隠している秘蔵のボーイズラブ小説にだけは、絶対手を出したりしないから」
「はうっ!?」
顔面蒼白。
「み、見たなっ!? い、いつ見た!?」
「いやいや。すげーな。あれ。お兄ちゃん、ちょっぴりどきどきしちゃったよ」
「ば、ば、馬鹿っ! 大嫌い! はやく出てけ!」
「あはは」
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櫃内様刻×櫃内夜月
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「きみとぼくの壊れた世界」
(西尾維新著、講談社BOXピース刊)
「もんだい編」(P.31~32)より
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「2428」を読んでたら、なんか無性に兄妹ネタをリリースしたく……(^^;
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