【迷場面0108】「い、嫌な奴……」 [這いよれ!ニャル子さん]
落ち着け。昔の偉い人も言っていた。取り乱しそうな時は素数を数えて落ち着くのだと。沸騰しそうな頭を徐々に冷やして、食卓に戻る真尋。
「で、だ。聞きたいことがあるんだ」
努めて冷静に話を切り出す。
「はいはい、何でしょうか。スリーサイズですか? いやん、真尋さんのえっち」
「お前、ニャルラトホテプって言ったよな」
「……ガン無視ですか。ええ、そうですが」
露骨に口を尖らせながらも、碧眼の少女は首肯する。
「ニャルラトホテプって言えば、クトゥルー神話でも有数の嫌な奴なわけだ」
「い、嫌な奴……」
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八坂真尋×ニャルラトホテプ
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「這いよれ! ニャル子さん」
(逢空万太著、ソフトバンククリエイティブGA文庫刊)
「1.第三種接近遭遇」(P.49)より
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『素数』は1と自分の数でしか割ることのできない孤独な数字だから、神父様に勇気を与えてくれるんですよね(^^;
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