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【迷場面0019】「ど、どうするんですか、これ……」 [「世界」(きみとぼく)シリーズ]

 そうか、病院坂先輩はピッキングをするつもりなのだ。特殊なテクニックだとは聞くが、病院坂先輩のことだ、きっとそれができるに違いない。やはり一人奇人ともなると持っているスキルが違う……そうとわかれば、見物の一手に尽きる。ぼくは病院坂先輩に、
「では、お任せします」
 と見せ場を譲った。
 病院坂先輩は取り出した金槌でドアノブを打った。
 えい。えい。えい。えい。えい。
 そんな感じに一心不乱に。
 打った。打った。打った。打った。打った。
 壊れた。
 見ましたか、串中くん。
 病院坂先輩はそう言わんばかりの得意げな表情でぼくを見たが、ぼくとしてはできれば見たくなかった。
「ど、どうするんですか、これ……」

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病院坂迷路×串中弔士
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「不気味で素朴な囲われた世界」
「大もんだい編」(P.124~125)
(西尾維新著、講談社ノベルス刊)
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 さすが病院坂一族! 期待を裏切りません(^^;

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