【迷場面0126】「最悪な慰め方だ!」 [オルキヌス 稲朽深弦の調停生活]
「一応自分は調停員なわけですし、オルカに対してそんな砕けた言葉遣いはどうかと思うんですが、大丈夫なんでしょうか」
「よゆう」
「そんなあっさり!」
「事実ですから」
「抱いていたオルカ像が崩れていく……!」
「人の夢と書いて儚いって読みますよねぇ」
深弦、頭を抱える。街でセシルに言われたことがここにきて現実となった。
「まあまあそんな気になさらず。人生なんて期待を抱いた時点で負けですよ」
「最悪な慰め方だ!」
「裏切られない期待なんてないです」
「あるよ! 世界はそんなに酷くないよ!」
「期を待つと書いて期待……ふ、キリギリスの発想ですね」
「どんな荒んだ人生を送ってきたんだお前は! ああ、お前って言っちゃった!」
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稲朽深弦×土蜘蛛
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「オルキヌス 稲朽深弦の調停生活」
「――序章――」(P.21~22)より
(鳥羽徹著、ソフトバンククリエイティブGA文庫刊)
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阿■々木&八九■コンビのような軽妙な掛け合い……って、漢字わかるのな、さすがは幻想の生物(そうなのか?)
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