【迷場面0127】「今度は話が深すぎる!」 [オルキヌス 稲朽深弦の調停生活]
「じゃあ何か、適当に話でもしようか」
「お話? 何を話すの?」
「何でもいいよ。メルは何か話したいこととかある?」
んー、と幼いハーピーはしばらく考えて、
「森羅万象における人間の存在意義について」
「即興で話すにはちょっと難しいな!」
壮大な問題を提示するメルだった。
それじゃあ、と幼いハーピーは考え直して、
「宇宙の始まりと終わりについて?」
「もう少しスケールダウンしてほしい!」
「そこを道行くアリさんの一生と彼が及ぼした影響について」
「今度は話が深すぎる!」
「深弦、贅沢」
「ごめんなさい」
ぷう、と頬を膨らませるメルに、頭を下げる深弦だった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
稲朽深弦×メル
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
「オルキヌス2 稲朽深弦の調停生活」
「――一章――」(P.40~42)より
(鳥羽徹著、ソフトバンククリエイティブGA文庫刊)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
幼いとはいえ、オルカおそるべし(^^;
コメント 0