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【迷場面0092】「……へえ、残念だけどまだまだ五割以上だね」 [終わりのクロニクル]

「いいよいいよ、そんなこと考えなくて。――旅行なんてこれからもまだ機会はあるだろうし、ボク達にはまだまだすることも多いし。お金の問題もあるし。それに初めてのこういう遠出が佐山君と出来て嬉しいし、佐山君と旅行だなんて誰も思ってやしない――」
 と、楽しげに言っていた新庄の言葉が不意に止まった。表情も止まって、ややあってから、
「ボク達、荷物持って一緒に学生寮と学校出たよね?」
「ああ、体育祭準備中の生徒達に挨拶をしつつ出たが、……それが何かね?」
「――思い切り学校中の噂になってるよボク達きっと多分おそらく高確率で!!」
 新庄の言葉に、佐山は懐から計算機を出した。ボタンを押しつつ、
「きっと・多分・おそらく・高確率で、――どれも九割として乗算したとき、総確率は約六十六パーセントまで落ちるね新庄君」
「……へえ、残念だけどまだまだ五割以上だね」

――――――――――――――――――――――――――――――
新庄・運切×佐山・御言
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「終わりのクロニクル④<上>」
 第八章『一語の確認』(P.231~232)
(川上稔著、メディアワークス電撃文庫刊)
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 そこじゃないよ、佐山(^^;

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