【名場面0011】「イザヤ様の気遣いが、今のことですか」 [イスカリオテ]
「イザヤ様に質問されるモノが、私ですか?」
奇妙な言葉遣いで、ことり、とノウェムが首を傾げた。
その仕草は、確かに機械を思わせる等速で行われ、しかし年頃の少女ならではの柔らかさをも備えていた。
「……あ」
矛盾する印象に、少年が言葉を失い、
「いや……、お前、手、痛く、ないのか?」
とりあえず、一番気になることを訊いた。
失われたはずの右手をきゅっきゅっと何度か握って見せ、ノウェムはやはり等速でうなずく。真鍮と似た腕輪をつけた右手は、普通の少女のものとまるで見分けがつかなかった。
「新しい四肢の接続と神経回路の同調は無事に終了しました。私の機能には問題ありません」
「うんうん。気遣いができるのは素晴らしいよね」
こちらは車の運転席から、カルロが口を挟んだ。
「イザヤ様の気遣いが、今のことですか」
――――――――――――――――――――――――――――――
ノウェム(イブ・カダモンシリーズ・EK-09h)
×九瀬イザヤ×カルロ・クレメンティ
――――――――――――――――――――――――――――――
「イスカリオテ」
「第二章 教団」(P.132~133)
(三田誠著、アスキー・メディアワークス電撃文庫刊)
――――――――――――――――――――――――――――――
玻璃様ではなくノウェムちゃんがヒロインなのがこの物語です、と主張するのが私です(^^;
奇妙な言葉遣いで、ことり、とノウェムが首を傾げた。
その仕草は、確かに機械を思わせる等速で行われ、しかし年頃の少女ならではの柔らかさをも備えていた。
「……あ」
矛盾する印象に、少年が言葉を失い、
「いや……、お前、手、痛く、ないのか?」
とりあえず、一番気になることを訊いた。
失われたはずの右手をきゅっきゅっと何度か握って見せ、ノウェムはやはり等速でうなずく。真鍮と似た腕輪をつけた右手は、普通の少女のものとまるで見分けがつかなかった。
「新しい四肢の接続と神経回路の同調は無事に終了しました。私の機能には問題ありません」
「うんうん。気遣いができるのは素晴らしいよね」
こちらは車の運転席から、カルロが口を挟んだ。
「イザヤ様の気遣いが、今のことですか」
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ノウェム(イブ・カダモンシリーズ・EK-09h)
×九瀬イザヤ×カルロ・クレメンティ
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「イスカリオテ」
「第二章 教団」(P.132~133)
(三田誠著、アスキー・メディアワークス電撃文庫刊)
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玻璃様ではなくノウェムちゃんがヒロインなのがこの物語です、と主張するのが私です(^^;
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