【迷場面0132】「ふふ、ふふふ。うふふふふふ」 [へヴィーオブジェクト]
少女は、携帯電話の小さな画面を眺めていた。
そこに表示されていたのは、短いメールだった。
アラスカの基地で出会い、窮地に陥った自分を助けに来てくれた、本物の友達。
「ふふ」
内容はそっけないものだったが、お姫様にとっては関係なかった。内容ではなく、誰からのものであるのかがこんなに重要な意味を持つとは、今まで想像もできなかった。
「ふふ、ふふふ。うふふふふふ」
思わず鼻歌を歌い、椅子に座ったままダンスっぽく体を小さく左右に振った直後、適当に振り回した手の甲がうっかりレバーにぶつかった。
巨大な主砲がガコーンと大きく動き、空中の連絡通路を押し潰しそうになり、すんでの所で整備兵の婆さんをホームランしそうになったお姫様は、慌ててレバーを掴み直す。
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ミリンダ
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「へヴィーオブジェクト」
(鎌池和馬著、アスキー・メディアワークス電撃文庫刊)
「第二章 親指トムは油田を走る >>ジブラルタル通行阻止戦」(P.156~157)より―――――――――――――――――――――――――――――――――――
このシーンだけではちょっとわかりづらいですが、お姫様ことミリンダは無表情っ娘なのです。そういう娘が繰り出す恋する乙女ちっくな仕草………くはぁ~、ごちそうさまです(^^;
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