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【名場面0019】「付き合い、始め」 [護くんに女神の祝福を!]

「初々しくていいなあ、ふたりとも。付き合い始めで、ぎくしゃくするのはわかるけれども、遅れちゃうわよ? 早く行きましょう?」
 気楽に言うと、ちゃっちゃと歩いていってしまう。
 護は耳まで真っ赤になって、悲鳴に近い抗議の声を上げた。
「美月、なにを、その、つ、付き合い始めって――」
「……付き合い始め」
 聞こえたつぶやきに振り返ると、がちがちに固まった絢子が、その言葉を噛みしめるように小さく「付き合い、始め」と繰り返していた。付き合い始め。護は恥ずかしくって、あはは、と照れ笑いしかできない。
 絢子は護の視線に気づくと、背を向けて早歩きでずんずん進んでいく。
 そして、護へ振り返りはせずに、
「なに、突っ立ってるの。行くわよ」
「あ、はいっ」
 絢子が髪をかき上げると、その耳がほんのり赤くなっているのが見えた。

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藤田美月×吉村護×鷹栖絢子
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「護くんに女神の祝福を!②」
「第一章 東ビ大附属のSleeping beauty」(P.24)
(岩田洋季著、メディアワークス電撃文庫刊)
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「激ピュア・ラブコメ」の惹句に恥じぬ、特にシリーズ初期のベリーストロベリーっぷりには、思う存分悶絶させて頂きました(^^;

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