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【迷場面0073】「さ、最悪――!」 [境界線上のホライゾン]

「ええとね? 皆、怪談じゃなくて最近多発の怪異におけるここだけの話なんだけど――」
 直後、浅間の後ろにいた葵姉が、両手を振り上げた。
「ここから浅間によるスーパーエロ話タ――イム!!」
「えええ? ちょ、喜美ってば勝手に何を――、というか男衆も正座しないっ。あのですね、喜美はどうしていつもそういうことを――」
「だって私、エロの神様を奉じてるもの。正確には芸能ウズメ系のサダ派ね」
 う、と浅間が息を詰めた。対し、葵姉が浅間の肩を笑顔で叩いて
「神が命じていることを否定する巫女が、ひょっとしてここにいるの?」
「え? いや、別にそういうわけじゃあ……。だってうちの祭神の一柱ですし」
「フフフ馬鹿ねグレイト、アンタんとこで代理契約したもんね、私のときは。あのとき、女しか儀式関われないからアンタが手伝いで来て、裏の滝で二人で脱いで――」
おぅわあ――!!
 浅間が大声で葵姉の発言をぶった切った。そのあとで皆に振り向き、あたふたと、
「へ、変なことがあったわけじゃないですよ!? ですよ!? ぎ、儀式は基本的に機密なので、口外は神の個人情報をバラすというか――」
「解らないこと多いから、マニュアル片手に、器具使って三度もしたのよねぇ」
「た、玉串を器具とか言わないっ、あと片手で握って上下に振ったりもしないっ、二度ミスったのは喜美が変な偽名を書類に書いたせいでしょっ。――ってか皆も録音とかしないっ」
 からかわれてるって気付けよ、と皆がつぶやく先、シロジロが、
「葵姉、単に怖い話が苦手なだけで浅間をからかうな」
「そ、そうですよねっ、そうですよねっ、駄目ですよね! 喜美ったらホラー能楽観ると椅子に座った時点で気絶してるようなヘタレなのに、そういうのをエロ話で誤魔化そうとして!」
「ああ。――だからそういうエロ話はちゃんと私に売れ。五倍にするから」
「さ、最悪――!」

――――――――――――――――――――――――――――――
浅間・智×葵・喜美×シロジロ・ベルトーニ
――――――――――――――――――――――――――――――
「境界線上のホライゾンⅠ<上>」
 第十四章『夜天下の暗躍者』(P.350~351)
(川上稔著、メディアワークス電撃文庫刊)
――――――――――――――――――――――――――――――
 アサマチかわいいよアサマチ(^^;
 しかし相変わらず川上作品は掛け合いのイケてるコンビが多すぎてうれしすぎます。

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