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【名場面0007】「――憧れを手にした、と言うのよね」 [境界線上のホライゾン]

「ずるい。――さっきから試されてるみたいだ」
「そう? 点数を付けるのがこっちだとしても、点数を得られるのは貴方なのよ?」
「? どうして女の子は点数を得られないのさ?」
「だって、女の子の点数は、……一緒にいる男の子の点数そのものだもの」
 は? と東はたじろいだ。正面、ミリアムが手の平をひらひらさせながら小さく笑っている。
「いい? どんなに着飾っていたって、ただ着飾っているだけなら趣味。人から見た自分を意識して着るようになって表現。それによって人を惹き付けられる着飾りが出来て御洒落。そして自分が欲しい点数を持っている人の目を奪う着飾りが出来たら――」
 笑みを濃く、うつむきから仰ぎにして、
「――憧れを手にした、と言うのよね」

――――――――――――――――――――――――――――――
東×ミリアム・ポークウ
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「境界線上のホライゾンⅠ<上>」
 第九章『扉の向こうの待ち人』(P.253)
(川上稔著、メディアワークス電撃文庫刊)
――――――――――――――――――――――――――――――
(きっと後々重要なポジションになるんだろうけど今はまだ)脇役の二人の会話にさえも唸らされる。それが、もうひとつの川上クオリティ。

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