【迷場面0143】「たった一文の中に人を惹きつけるワードが満載!?」 [へヴィーオブジェクト]
「そういや、高速戦闘中は脳に血が回らなくなるのを防ぐために、足の血流を止めるようにモードチェンジするんだっけ。……もしかして、痺れてる?」
『いようにしゅうちゅうするこうそくせんとうのちょくごは、体にねつがこもるものですし、スーツから足を出して、れいきゃくスプレーをつかうのがてっとりばやいのです。おほほ』
はー、と適当に感心したクウェンサーだったが、そこで彼の体がピタリと止まる。
(あれ……? お姫様の足を冷やすっていう事は、ひょっとして、あの分厚い鋼鉄の壁の向こうでは……特殊スーツを脱い……?)
動きを止めたクウェンサーは、しばし哲学者のように深く深く考え込む。
すると、『正統王国』軍のベイビーマグナムの主砲がこちらを向いて、
『……よけいなことは、考えなくていいから』
「うぎゃああーっ!? ツッコミにしてもそれは強力すぎる!! それから余計なことを言ったのは『情報同盟』軍のエリートのはずだっ!!」
すると、矛先を向けられた例のエリートはスピーカー越しに、
『んふぅ。おほほ、私もハイレグレオタードがたのスーツをぬいで、Gカップのナイスバディを冷まさなければなりませんわっ!!』
「まっ、マジかーっ!! たった一文の中に人を惹きつけるワードが満載!? 考えてみればウチのお姫様の格好も色々アレだけど、『情報同盟』軍のエリートの方はどうなってんだーっ!?」
『せっけいしのリクエストです。おほほ』
「……ッ!? 亡命する気はさらさらないが、そんな職場があるとは……ッ!?」
「馬鹿クウェンサー、瞳をキラキラさせながら『情報同盟』軍のダミー情報に踊らされてんじゃねえっ!! 大体、本当にハイレグだったら足を締め付けられねえから耐圧機能をつけられねえだろうがっ!!」
『あら、バレてしまいましたわね。おほほ。たしかに足もおおわれていますが、代わりにこうりつよくスーツの中にれいきゃくスプレーをふんしゃするために、スーツの各所にスリットが入っていますけどね。……スク水以上の、きわどい所まで』
「おいちょっとなあヘイヴィアこれマジかーっ!?」
「だからクウェンサーっ!! テメエが異様に『情報同盟』のエリートに喰いつくから、おかげでウチのお姫様がすっかり翻弄されてるだろうがぁーっ!!」
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クウェンサー×『情報同盟』軍のエリート×ミリンダ×ヘイヴィア
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「へヴィーオブジェクト」
(鎌池和馬著、アスキー・メディアワークス電撃文庫刊)
「第三章 蟻とキリギリスの戦争 >>オセアニア軍事国攻略戦」(P.269~272)より―――――――――――――――――――――――――――――――――――
超大型兵器により戦争の様相がすっかり変わった未来の世界においてもなお存在し続けるスク水こそおそるべし!(^^;。
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