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【迷場面0115】とても分かりやすい比較だった。 [這いよれ!ニャル子さん]
「この広い宇宙、地球人なんて指先一つでダウンさせられるくらい物理的にも精神的にも力を持った連中が、それこそ星の数ほどいます。ですが、そんな彼らでも地球に唯一後れを取っているファクターがあるんです」
「それとお前の趣味に何の関係が」
「娯楽です。英語で言うとエンターテインメント」
つん、と満足げに戦利品の袋をつつくニャルラトホテプ。
「え、だって、お前らにしちゃ片田舎の文化なんだろ?」
「いいえ、こと娯楽に関しては地球は宇宙一と言っていいでしょう」
「こっちの何倍も科学力持ってるくせに?」
「昨夜も申し上げましたでしょう。科学技術と精神性は必ずしも一致しない、と」
確かに、耳に残っている。彼女の言では、高度な科学技術を有していても、それを軍事にしか生かせなかった荒んだ文明もあったらしい。一応、辻褄は合っているようだ。とはいえ、地球が娯楽では宇宙一という言葉はいまいち実感が湧かない。
「娯楽、ねぇ。こっちにとっちゃ、ごく普通の事なんだが」
「恒星間移動も我々にとってはわりかしポピュラーな事なんですけどね」
「………なるほど」
とても分かりやすい比較だった。
「地球の娯楽、例えば映画とか歌劇とか読み物、ゲームなどは、宇宙中の注目を集めています。何というか、根本的に脳の構造が違うんでしょうかね? 我々には、そういうのを考え出す思考がそもそもないようなんです」
「こっちにとっちゃ、お前の思考回路というか存在自体がエンターテインメントみたいなもんなんだが」
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ニャルラトホテプ×八坂真尋
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「這いよれ! ニャル子さん」
(逢空万太著、ソフトバンククリエイティブGA文庫刊)
「1.第三種接近遭遇」(P.69~70)より
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‥‥デカルチャー?(^^;
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