【名台詞0023】カルロ・クレメンティは言いました [イスカリオテ]
「偉いんですよ」
胸元をつかまれたまま、躊躇無くカルロは言い放った。
「神だから偉いんじゃない。枢機卿代行だから偉いんじゃない。周囲がそう求めたから偉いんです」
隻眼が、真っ直ぐに少年を見つめていた。
眼帯に刺繍された獅子の姿は、少年を喰らわんとするようだった。
「……周りが……求めただって」
「権力は神が与えるものじゃありません。多くの人がつくりあげるものです。その権威を受け取った者は、もはや勝手に死ぬことすら許されない。英雄が――『九瀬諫也』がそうであるように」
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カルロ・クレメンティ枢機卿代行×九瀬イザヤ
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「イスカリオテ」
(三田誠著、アスキー・メディアワークス電撃文庫刊)
「第四章 玻璃」(P.243~244)より
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ジャパニメーションの傑作「カウボーイ・ビバップ」でも、「神が人間を創ったのではない。人間が神を創ったのだ」てなセリフもありましたっけ。
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