【名場面0030】「何してんだ、お前」 [イスカリオテ]
「……ふん」
そこまで考えたところで、イザヤは鼻を鳴らした。
さっきから、扉の向こうで右往左往している人影が目についたのだ。
「いいから入れ」
と、声をかけた。
すると、きっかり三秒の間をおいて、小柄な人影が入ってきたのだ。
無論、ノウェムであった。
「何してんだ、お前」
「ガラス越しの影から、イザヤ様が考え中と判断しました。妨害をしないのが最善かと」
間違ってはいないのだが、微妙にずれている。
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九瀬イザヤ×ノウェム(イブ・カダモンシリーズ・EK-09h)
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「イスカリオテ」
(三田誠著、アスキー・メディアワークス電撃文庫刊)
「終章」(P.359~360)より
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間違ってはいないのだが、微妙にずれている。だが、それがいい。
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