SSブログ

【迷場面0075】「……好きで起きてた人間が何を言うか」 [旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。]

「くぉら少年!! 何サボってんの! 起きろ!」
「わ!」
 開け放してある窓から響いた怒声で、少年が跳ねるネズミ捕りのように起き上がる。
「アンタねぇ……。人が苦労して作業手伝ってんのに呑気に昼寝ですかコノヤロウ」
 怨念が籠った熱視線を網戸越しに向けてくる少女の顔に、本気で怯えた。
 このままでは殺られる。少年ピンチ。
「わ、解った。今行くよ!」
「いいからサッサと動く! ハリアップ!」
 ばしばしと窓枠を叩く音が背後から少年を脅迫し、慌ててスニーカーを履いて小屋を飛び出した。
「そんなに急かすなよ……。少女だってたっぷり朝寝したんだから……」
「私は昨日遅くまで起きてたんだもん」
「……好きで起きてた人間が何を言うか」
 ずむ、と目にも留まらぬボディブローが炸裂する。
 手加減なしの一撃は見事少年の真芯を貫いて、少年の視界に火花を散らした。

――――――――――――――――――――――――――――――
少女×少年
――――――――――――――――――――――――――――――
「旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。」
「第二章 翼」(P.134~135)
(萬屋直人著、メディアワークス電撃文庫刊)
――――――――――――――――――――――――――――――
 ちなみに少女、ゆうべはしこたま飲んでました(^^;

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。