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【迷場面0046】「ほんとにボンゾだったの」 [さよならピアノソナタ]

「正月に、医者からもう柔道は無理って言われてやけ酒飲んでさ」飲むなよ未成年。「酔っぱらって寝てたら夢にボンゾが出てきたの」
 ボンゾというのはレッド・ツェッペリンのドラマーで、泥酔したまま眠って嘔吐物を喉に詰まらせて窒息死した人。ていうかそれやばいって。死ぬ寸前に見るアレだったんじゃないの?
「おまえにはドラムしかないって言われた。ボンゾに言われたらやるしかないでしょ?」
「ほんとにボンゾだったの」
「河原のお花畑で手振ってたから間違いなくボンゾ。すっごい日本語うまいの。津軽弁だったけど」
 そりゃ一昨年死んだおまえの祖父(じい)さんだろ。

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相原千晶×桧川直巳
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「さよならピアノソナタ」
「2 花畑、忘れられた音楽室」(P.34)
(杉井光著、メディアワークス電撃文庫刊)
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 文中に音楽知識が頻出する本作ですが、それでいてしつこくなく、嫌みがなく、使い方がうまいです。レッド・ツェッペリンを名前しか知らない私も楽しんで読めました。
 ナオ視点の地の文がなにげにおもしろい。

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