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【迷場面0002】「投身モンのイジメだ!」 [化物語]

「こいつ呼ばわりもやめて」
 戦場ヶ原は毅然とした声で言った。
「じゃあ、なんて呼べばいいんだよ」
「戦場ヶ原さま」
「…………」
 この女、正気か。
「……センジョーガハラサマ」
「片仮名の発音はいただけないわ。ちゃんと言いなさい」
「戦場ヶ原ちゃん」
 目を突かれた。
「失明するだろうが!」
「失言するからよ」
「何だその等価交換は!?」
「銅四十グラム、亜鉛二十五グラム、ニッケル十五グラム、照れ隠し五グラムに悪意九十七キロで、私の暴言は練成されているわ」
「ほとんど悪意じゃねえかよ!」
「ちなみに照れ隠しというのは嘘よ」
「一番抜けちゃいけない要素が抜けちゃった!」
「うるさいわねえ。いい加減にしないとあなたのニックネームを生理痛にするわよ」
「投身モンのイジメだ!」
「何よ。文字通りの生理現象なのだから、恥ずかしいことではないわ」
「悪意がある場合は別だろう!」

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戦場ヶ原ひたぎ×阿良々木暦
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「化物語[上]」
「ひたぎクラブ」(P.45~46)
(西尾維新著、講談社BOX刊)
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 まさに毒舌の速射砲と突っ込みの機関銃の仁義なき撃ち合い。
 ちなみにこの場面、阿良々木の仲介で戦場ヶ原が頼み事に来ていると見抜けた人がいたら、よほどの変人に違いない。

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