SSブログ

【迷場面0001】「一緒にしたら、犬に失礼かしら」 [化物語]

「勿論只とは言わないわ」
「何かくれるのかよ」
「物理的な報酬を求めるとは、浅ましい。その情けない言葉一つに、あなたの人間性の全てが集約されていると言っても過言ではないわね」
「…………。じゃあ、何をしてくれるんだ?」
「そうね……阿良々木くんがドラクエⅤで、フローラに奴隷の服を装備させようとした外道であることを、言いふらす予定だったのを中止してあげる」
「そんな話、一生で一回も聞いたことねえよ!」
 しかも言いふらすことが前提だった。
 酷い女だ。
「装備できないことくらい、考えたらわかりそうなものなのに……これぞ猿知恵ならぬ犬知恵といったところかしら」
「ちょっと待て! うまいこと言ってやった、してやったりみたいな顔してるけど、僕が犬に似ているなんて描写がこれまでに一度でもあったか!?」
「そうね」
 くすりと笑う戦場ヶ原。
「一緒にしたら、犬に失礼かしら」
「………………っ!!」
 ともすればありふれているとも取られかねない定型句を、ここで織り込んでくるか……この女、暴言ってものを、完全に使いこなしてやがる。

――――――――――――――――――――――――――――――
戦場ヶ原ひたぎ×阿良々木暦
――――――――――――――――――――――――――――――
「化物語[上]」
「ひたぎクラブ」(P.78~79)
(西尾維新著、講談社BOX刊)
――――――――――――――――――――――――――――――
 鉄面皮の女帝にして毒舌の暴君・戦場ヶ原ひたぎ、ここに降臨。
 上の一連のセリフに代表されるような容赦なしの暴言毒舌を、無表情と平坦な声で言ってのけるところが無駄に凄いです。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。