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【迷場面0153】「わ、わたし、処女じゃないもん! 経験済みだもん! もう大人だもん!」 [小さな魔女と空飛ぶ狐]


小さな魔女と空飛ぶ狐 (電撃文庫)

小さな魔女と空飛ぶ狐 (電撃文庫)

  • 作者: 南井 大介
  • 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
  • 発売日: 2010/09/10
  • メディア: 文庫


「ふうん。ねえ、中尉さん、ちょっと質問して良いかしら?」
 アンナリーサが唇の端をにこやかに曲げながらクラウゼに尋ねる。
「ええ。どうぞ」
 クラウゼは敬礼を解きながら、アンナリーサの瞳にある感情に気づく。
「人を殺した時ってどんな感じ?」
 場の雰囲気が一変し、液体窒素をぶちまけた様に空気まで凍りついた。
 クラウゼはアンナリーサの瞳にある感情を理解した。
 好奇心だ。猫がネズミをなぶるような悪意なき残酷さに溢れている。眉や瞼、瞳、皺の動きまで見逃すまいとする目は、まるで新薬を投与したネズミの反応を観察しているようだ。
「貴方はサピアで大勢を殺したんでしょう? 空戦で、爆撃で、たくさん殺したんでしょう? ねえ、どんな気分? どんな気持ち? 昂奮した? 後悔した? 楽しかった? 辛かった? コンバット・ハイを経験したことは? PTSDは発症した?」

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【名場面0054】「今ハモット可愛イデスヨ」 [小さな魔女と空飛ぶ狐]


小さな魔女と空飛ぶ狐 (電撃文庫)

小さな魔女と空飛ぶ狐 (電撃文庫)

  • 作者: 南井 大介
  • 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
  • 発売日: 2010/09/10
  • メディア: 文庫


「あれは私が十四歳の、超可愛かった時のこと……」
 唐突に話し始めた、と思うとすぐに黙りこくり、クラウゼをジトッと見つめる。
 クラウゼはアンナリーサがなぜ黙ったのかわからず、話の再開を待っていたが、やがて、アンナリーサが痺れを切らしたように罵声を張り上げた。
「なんで今はもっと可愛いですよって言わないのよ、シュナウファーッ!」

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【名場面0053】現代の魔法使い達は神や悪魔なんて暇そうな輩の力は借りない。 [小さな魔女と空飛ぶ狐]


小さな魔女と空飛ぶ狐 (電撃文庫)

小さな魔女と空飛ぶ狐 (電撃文庫)

  • 作者: 南井 大介
  • 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
  • 発売日: 2010/09/10
  • メディア: 文庫


「いったい、どんな魔法を使ったんですか?」
 クラウゼの問いかけに、
「あらゆる問題には答えが存在する。だけど、世界には解法の糸口さえ見えない難問がたくさんある。歴史上の多くの天才達が挑み、それでも解けないのはなぜだと思う?」
 得意げに語るアンナリーサの横顔は十六歳の少女ではなく、新進気鋭の科学者であり、年若いながら立派な魔女のものだった。

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