【名台詞0036】エリカ・ブランデッリは言いました [カンピオーネ!]
カンピオーネ!〈2〉 (集英社スーパーダッシュ文庫 た 9-2)
- 作者: 丈月 城
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/11/21
- メディア: 文庫
浮気はいい。それも王者の特権だ。でも、本気は許さない。
草薙護堂が本気で愛するのは、エリカ・ブランデッリただひとりでなくてはいけない。
【名場面0050】「わたしたち、地上最強の夫婦になれるんじゃない?」 [カンピオーネ!]
カンピオーネ! 神はまつろわず (集英社スーパーダッシュ文庫)
- 作者: 丈月 城
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/05/23
- メディア: 文庫
「ところで護堂、久しぶりにふたりっきりなんだから、そんな色気のない話はやめない? せっかくの短い逢瀬なのよ?」
いきなりエリカが近づいてきた。
ぴったりと護堂に寄り添い、耳元でささやきかけてくる。
魅惑的な少女から、積極的にスキンシップを迫られる。健全な男子高校生であれば、誰しも胸をときめかせる展開である。
もちろん、護堂も例外ではない。ないのだが――。
「そういう悪ふざけはやめろって何度も言ってるじゃないか。もっと節度を守って、健全な友達同士のつきあいをしよう!」
「ふざけてないわよ。久々に会った恋人同士で、愛を確かめ合おうってだけじゃない」
こちらの反駁など無視して、エリカが顔を近づけてくる。
頬に頬をすり寄せ、体重を預けながらの、蜜のように甘いささやき。
護堂はできるだけ距離を保とうと、必死に後ずさった。
「お、俺はおまえの恋人じゃないっ。いいかげんにしてくれよ、頼むから!」
「あなたの方こそ、いいかげんにわたしの愛を受けいれなさい。わたしのどこが不満なの? 容姿でしょ、若さでしょ、あとスタイル、この辺は全く問題ないと思うんだけど。……もしかして護堂、すごくマニアックな趣味があるとか?」
【名言0020】エリカ・ブランデッリはかく語りからざるが [カンピオーネ!]
【書感0014】カンピオーネ!Ⅰ~Ⅲ [カンピオーネ!]
カンピオーネ! 神はまつろわず (集英社スーパーダッシュ文庫)
- 作者: 丈月 城
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/05/23
- メディア: 文庫
カンピオーネ!〈2〉 (集英社スーパーダッシュ文庫 た 9-2)
- 作者: 丈月 城
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/11/21
- メディア: 文庫
カンピオーネ! 3 はじまりの物語 (集英社スーパーダッシュ文庫)
- 作者: 丈月 城
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/03/25
- メディア: 文庫
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「カンピオーネ! 神はまつろわず」
「カンピオーネ!Ⅱ 魔王来臨」
「カンピオーネ!Ⅲ はじまりの物語」
(丈月城著、集英社スーパーダッシュ文庫刊)
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前回の書感で、このシリーズのおもしろさは突き抜けているのではなく安定しているのだ、という主旨のことを書きましたが(褒め言葉ですよ)、気になったので理由を考えてみました。
が、すぐに思い当たりました。それは、「主人公が最初からめっちゃ強いから」。
なにせ、1巻スタート時点ですでに軍神の権能を備えていて、それを使いこなすマインドも持ち、1巻でも2巻でもほぼ同等の力を備える敵と全開バトルを繰り広げるわけです。
ここには少年漫画的王道な「最初は強くないけど物語を通じて成長する」要素や、「自分よりも強大な敵に立ち向かう」要素はなく、ライバルと戦略戦術の優劣を競い合う感じが近いですね。
それがだめなわけでは全然なく(私的にはむしろウェルカム)、そういうおもしろさなんだ、とご理解下さい。
【書感0013】カンピオーネ!Ⅲ はじまりの物語 [カンピオーネ!]
カンピオーネ! 3 はじまりの物語 (集英社スーパーダッシュ文庫)
- 作者: 丈月 城
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/03/25
- メディア: 文庫
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「カンピオーネ!Ⅲ はじまりの物語」
(丈月城著、集英社スーパーダッシュ文庫刊)
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期待に違わずおもしろかった。
この著者の作品を読むのは初めてだったんですが、このシリーズは1巻から安定しておもしろいのがうれしいです。
うーん……なんだろう、予想以上!とか、一寸先すら読めないハラハラドキドキ!というテンションとは無縁なんだけど、でもやっぱり文句なくおもしろい、という。サッカー漫画に例えるなら「俺フィー」じゃなくて「ジャイキリ」的なおもしろさ、と言いますか……わからない人ごめんなさい(^^;
とりあえず、私的にはエリカはやっぱり護堂を甘辛く弄り倒しまくってこそのエリカだと思うので、そういう意味では「あかいあくま」分がやや物足りなかったというか。ただ、ある意味それ以上に貴重な「恥じらうエリカ」を堪能させて頂きましたので、それはそれで!!!(^^;
【迷場面0070】「これで東京も世界標準に追いつくわよ」 [カンピオーネ!]
護堂の拒絶に、エリカは『へえ、そんなこと言っちゃうんだ~』という感じで微笑んでから、わざとらしく目を伏せた。
「そう――なら仕方ないわね。このままゴルゴネイオンがこの国にあったら、いずれ『まつろわぬ神』が降臨するでしょう……。でも、わたしたちに頼るべき王はいない。誰かさんとの決闘で大怪我して、姿を消してしまったから……」
ほのかに悲壮感をにじませながら、淡々とエリカがつぶやく。
痛いところを突かれた護堂は、思わず縮こまった。
「ねえアリアンナ、もし神が現れたときは名誉にかけて、あなたのことを守るわ。――でも、ごめんなさい。わたしの力ではきっと神には敵わない。せめて、あなただけでも生きのびられるように死力を尽くして戦うから!」
「そう――なら仕方ないわね。このままゴルゴネイオンがこの国にあったら、いずれ『まつろわぬ神』が降臨するでしょう……。でも、わたしたちに頼るべき王はいない。誰かさんとの決闘で大怪我して、姿を消してしまったから……」
ほのかに悲壮感をにじませながら、淡々とエリカがつぶやく。
痛いところを突かれた護堂は、思わず縮こまった。
「ねえアリアンナ、もし神が現れたときは名誉にかけて、あなたのことを守るわ。――でも、ごめんなさい。わたしの力ではきっと神には敵わない。せめて、あなただけでも生きのびられるように死力を尽くして戦うから!」
【迷場面0068】「そんな誓いに誇りをかけるな!」 [カンピオーネ!]
『ええ。やっぱり、護堂にはわたしのおねだりを聞く義務があると思うの。その辺りのところ、どう思う?』
「どうって、バカ言うなよ。友達同士でおねだりとか言われてもだな……」
『――くせに』
エリカが小声でつぶやいた。
それは、人をもてあそぶのが愉しくてたまらない悪魔のささやき声だ。護堂は思わず逃げ出したくなった。
『わたしの純潔を奪ったくせに、酷い人。シチリアでの、あの熱い一夜のことを忘れてしまったの?』
「あ、あれは仕方のないことだったろ。互いの利害が一致した結果、納得ずくで行為に及んだわけでだな……」
『ええ、そうね。わたしは心から望んで、あなたに純潔を捧げたわ。でも、あの後から護堂ったら急に冷たくなって……。釣った魚にエサをやるつもりはないんだ?』
文句を言い立てながらも、エリカの口調は本当に愉しげだった。
この悪魔め! 護堂は心の中で毒づいた。
「どうって、バカ言うなよ。友達同士でおねだりとか言われてもだな……」
『――くせに』
エリカが小声でつぶやいた。
それは、人をもてあそぶのが愉しくてたまらない悪魔のささやき声だ。護堂は思わず逃げ出したくなった。
『わたしの純潔を奪ったくせに、酷い人。シチリアでの、あの熱い一夜のことを忘れてしまったの?』
「あ、あれは仕方のないことだったろ。互いの利害が一致した結果、納得ずくで行為に及んだわけでだな……」
『ええ、そうね。わたしは心から望んで、あなたに純潔を捧げたわ。でも、あの後から護堂ったら急に冷たくなって……。釣った魚にエサをやるつもりはないんだ?』
文句を言い立てながらも、エリカの口調は本当に愉しげだった。
この悪魔め! 護堂は心の中で毒づいた。