【名台詞0035】都築巧は言いました [迷い猫オーバーラン!]
迷い猫オーバーラン! 拾ってなんていってないんだからね!! (集英社スーパーダッシュ文庫)
- 作者: 松 智洋
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/10/29
- メディア: 文庫
「迷惑は、かけてもいいんだ。家族には。そして、友達にも」
【迷場面0105】「さすがに二人がかりだと……」 [迷い猫オーバーラン!]
迷い猫オーバーラン! 3 …拾う? (集英社スーパーダッシュ文庫)
- 作者: 松 智洋
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/02/25
- メディア: 文庫
それが引き金になったかのように、文乃と梅ノ森が鬼の形相へと変貌していく。
「どぉいぅことかしらぁ、巧ぃ」
「説明してもらいましょうかぁ、都築ぃ」
「ま、待て、おまえらはなにか大きな勘違いをしている! 希が言ったのは……そう、家族だ! 家族って意味だよっ」
俺の必死の弁解もヤツらは聞き入れる様子もない。それどころか、文乃はポキポキと指を鳴らし、梅ノ森はメイドから受け取った鈍器的なものをブンブンと振り回しているありさま。
「ていうか、ホント待って、さすがに二人がかりだと……」
「二回死ねえええええええええええええええええええええっ!」
「星になれえええええええええええええええええええええっ!」
ユニゾンも完璧な合体攻撃は、弁当ごと俺を粉砕した。
【書感0008】迷い猫オーバーラン! 3 [迷い猫オーバーラン!]
迷い猫オーバーラン! 3 …拾う? (集英社スーパーダッシュ文庫)
- 作者: 松 智洋
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/02/25
- メディア: 文庫
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「迷い猫オーバーラン! 3 ……拾う?」
(松智洋著、集英社スーパーダッシュ文庫刊)
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2巻に渡って雌伏を続けていた最強の迷い猫が、満を持して出陣する……
今回は、ついに希のターン!!!
【迷言0010】梅ノ森千世はかく宣えり [迷い猫オーバーラン!]
迷い猫オーバーラン! 2 (集英社スーパーダッシュ文庫 ま 1-2)
- 作者: 松 智洋
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/12/25
- メディア: 文庫
「明日から、世界一周あたしのお嬢様ぶり見学旅行、略してあたし旅行に出かけるわよっ!」
【名場面0029】「べ、別にあんたに誉められなくったって全然いいんだけど!」 [迷い猫オーバーラン!]
迷い猫オーバーラン! 2 (集英社スーパーダッシュ文庫 ま 1-2)
- 作者: 松 智洋
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/12/25
- メディア: 文庫
「な……なによっ? おかしいっ?」
頬を真っ赤にした文乃が、プイっと顔を逸らす。
いやいや、おかしいんじゃない。ビックリしたんだ。
ガキの頃から一緒に育った仲だが、文乃がドレスを着ている姿を見るのは初めてだった。
まさか文乃にドレスが似合うだなんて思ってもみなかった。
「おお、馬子にも衣装というか……まるで黄金聖衣(ゴールドクロス)をまとった青銅聖闘士(プロンズセイント)のような……」
そのたとえはどーかと思うが、そんな家康の心情も理解できなくはない。
確かに文乃は美少女だ。
だから、着飾ったらゴージャスになるのは当たり前といえば当たり前なのだが……。
しかし、すんなりとこの会場にいる令嬢に混じっても違和感のない、というより、令嬢たちの中でもひときわ目立つその姿は、幼い頃からおやつやらオモチャやらを争ってきた気丈な幼馴染ではないような。俺の知っている文乃じゃないような、そんな気さえして……。
「み、見るなっ! ジロジロこっち見るなーっ!」
【迷場面0086】「しっ、心配なんて誰がするか――――――――っ!」 [迷い猫オーバーラン!]
「ご、ごめん」
「誤っても昨日は戻ってこないでしょ! なんで連絡の電話一本できないの?」
「悪かった、悪かったって! 心配かけてすみませんでしたっ」
「し、し、し、心配ですってぇっ!?」
顔色が変わった。一気に青くなった後、真っ赤になる。
やばい、と思ったときには既に死刑執行書に判をついた自分に気づいた。
「しっ、心配なんて誰がするか――――――――っ! 二回死ねっ! 死ねっ!!」
「誤っても昨日は戻ってこないでしょ! なんで連絡の電話一本できないの?」
「悪かった、悪かったって! 心配かけてすみませんでしたっ」
「し、し、し、心配ですってぇっ!?」
顔色が変わった。一気に青くなった後、真っ赤になる。
やばい、と思ったときには既に死刑執行書に判をついた自分に気づいた。
「しっ、心配なんて誰がするか――――――――っ! 二回死ねっ! 死ねっ!!」
【迷場面0083】「ていうか、前より強くなってんじゃね?」 [迷い猫オーバーラン!]
「そうやって、誰でもかれでも世話焼いてたらいつかアンタ……」
「……もしかして、心配してくれてる?」
「ち、違うわよ! 誰が巧なんか心配するか!」
「いだだっ、手っ、強く握りすぎっ」
「あ……」
文乃はそこではじめて、自分が俺と手を繋いでいたことに気づいて、慌てて手を放した。
「手つないだのなんて、小学校以来だよな」
「そ、そう……だっけ」
みるみる文乃の頬が赤くなっていく。
「うん。あの頃から思ってたんだけどさ……」
「え……」
「文乃、握力強すぎ」
「な……!?」
「ていうか、前より強くなってんじゃね? 手が砕けるかと――」
「二回死ねええええええええええええええええええええええ!」
文乃の拳がえぐり込むように俺のアゴ下を突き上げた。
「……もしかして、心配してくれてる?」
「ち、違うわよ! 誰が巧なんか心配するか!」
「いだだっ、手っ、強く握りすぎっ」
「あ……」
文乃はそこではじめて、自分が俺と手を繋いでいたことに気づいて、慌てて手を放した。
「手つないだのなんて、小学校以来だよな」
「そ、そう……だっけ」
みるみる文乃の頬が赤くなっていく。
「うん。あの頃から思ってたんだけどさ……」
「え……」
「文乃、握力強すぎ」
「な……!?」
「ていうか、前より強くなってんじゃね? 手が砕けるかと――」
「二回死ねええええええええええええええええええええええ!」
文乃の拳がえぐり込むように俺のアゴ下を突き上げた。
【名場面0010】「……違う。大嫌い。巧のこと、大嫌い! 大好き!」 [迷い猫オーバーラン!]
「お……おい、文乃――」
「希が出ていったのは……わ、私のせいだもの……」
「わけ分かんないぞ、文乃」
「そうだもの! 私が出ていってほしいって!」
そう言って、はっとしたように文乃は口を押さえた。
「そう、希に言ったのか?」
「言わないけど……」
「じゃ、ここにいてほしいって言ったとか?」
「それも言わないけど……」
「じゃあ、それは違うな」
「なんで断言できるのよ!」
「こっちが聞きたい、なんで文乃のせいで希が出てくんだよ?」
文乃は、沈黙した。
俺も動けない。不思議な緊張感が走る。
狼の目に透明な輝きが宿っているのを、見つけてしまったからだ。
「希が出ていったのは……わ、私のせいだもの……」
「わけ分かんないぞ、文乃」
「そうだもの! 私が出ていってほしいって!」
そう言って、はっとしたように文乃は口を押さえた。
「そう、希に言ったのか?」
「言わないけど……」
「じゃ、ここにいてほしいって言ったとか?」
「それも言わないけど……」
「じゃあ、それは違うな」
「なんで断言できるのよ!」
「こっちが聞きたい、なんで文乃のせいで希が出てくんだよ?」
文乃は、沈黙した。
俺も動けない。不思議な緊張感が走る。
狼の目に透明な輝きが宿っているのを、見つけてしまったからだ。