【書感0029】しゅらばら!3 [書き溜めのるつぼ]
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「しゅらばら!3」
(岸杯也著、MF文庫J刊)
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「……そう来たか……。やるわね」
これはあるキャラの作中のセリフですが、本作を読み終えた私の心境でもあります。
1~2巻は、設定に独自色こそあるものの、よくあるハーレム系ラブコメだと思って読んでました。GA文庫に「俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる」というシリーズがあるんですが、この作品と、タイトルも、男1:女3(とか4)の構図も、ニセ恋人設定も……と、ことごとく被ってて、でも掛け合いは「俺修羅」のが断然面白いので、「しゅらばら!」はよほど面白くなければ3巻で切るつもりでした。
が、しかし。見事という他ありません。
3巻では、2巻までの状況をきれいに引っくり返して、さらにカオス度を上げ、なおかつ心理戦という新たな要素まで注ぎ込んでくるという離れ業を決められてしまったからには、これはもう4巻以降も付き合う他ありません! ぶっちゃけ、主人公不在のヒロイン巴戦のほうがはるかに面白かった(^^;
まあ、でもこれで「俺修羅」とは明確に路線が分かれましたので、奇妙なくらいにいろいろ似通っているけどそれぞれに異なる魅力を放つ別々の作品として、安心して両シリーズとも楽しむことができるというものです。
そういう意味では、3巻への興味を繋ぎとめてくれた2巻の引きは実にナイスでした……と思ったら、3巻の引きはそれを吹き飛ばすくらいの破壊力でしたよ! 4巻マダー!?
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