【名場面0043】「お前は俺の剣で俺の盾なんだろうが。」 [イスカリオテ]
「――イザヤ様は、ニセモノなのがお嫌ですか?」
不意に、そんなことを訊いた。
「またそれかよ。もういいよ」
「ですが」
言いかけたノウェムに、イザヤはマスタードのついた指を突き出した。
「俺がニセモノだろうが何だろうが、そういうのは関係なくて、お前は俺の剣で俺の盾なんだろうが。だったら、俺の代わりに使い潰される覚悟もしとけ」
ぶっきらぼうに、言ったのだった。
その言葉に、人形はきょとんと目を見開いた後、
「……はい」
とても嬉しそうに、頬を押さえてうなずいたのだった。
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ノウェム(イブ・カダモンシリーズ・EK-09h)×九瀬イザヤ
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「イスカリオテⅡ」
(三田誠著、アスキー・メディアワークス電撃文庫刊)
「終章」(P.354~355)より
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不器用同士、考えるのはいつも相手のことばかりという微笑ましいカップルですね。
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