【迷場面0139】ものすごい馬鹿がいた。 [化物語]
全く、と呆れたように言う八九寺。
「忙しいなんて言葉は時間配分ができない人間の言い訳ですよ、阿良々木さん。その気になれば、学校の休み時間でも、参考書を見ることはできたはずです。勉強は授業中、あるいは家でするものである、などという先入観、固定観念が、阿良々木さんを縛っているのです」
「おお……なんかいいこと言ってるな」
うん。
それもまた、その通りである。
「八九寺、僕は今までお前のことを、根っから頭の悪い子供だと誤解していたのかもしれないが、お前ひょっとして、ちゃんとお勉強とか、できる奴なのか? 前に成績はよくないとか言ってたけど、あれはあくまで僕に気を遣った謙遜で……」
「さあ……勉強したことがないからわかりません」
「………………」
ものすごい馬鹿がいた。
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八九寺真宵×阿良々木暦
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「化物語(下)」
(西尾維新著、講談社BOX刊)
「第五話 つばさキャット」(P.252)より
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繰り返しますが、少女八九寺、小学五年生です。
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