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【名場面0041】「相変わらずポンコツだな、お前」 [イスカリオテ]


イスカリオテ〈2〉 (電撃文庫)

イスカリオテ〈2〉 (電撃文庫)

  • 作者: 三田 誠
  • 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
  • 発売日: 2009/03/10
  • メディア: 文庫


「で? 修理の具合はどうなんだよ。なんか、足はもうついてるみたいだけど」
「右足は……自分でパージしただけですので。比較するなら、地面に打ち付けられたダメージの検証の方が時間がかかっています。現在は警戒態勢ですので、細かい修復よりは検証と戦線復帰を優先している次第です」
 聖職衣越しに右足を撫でて、ノウェムが答える。
 少し間をおいて、人形はそわそわと、もう一度口を開いた。
「あの……」
「あん?」
 眉をひそめたイザヤに、固い声で人形は訊いたのだ。
「それを……こちらの被害状況を、確認に来たのだと考えてよろしいでしょうか?」
「……まあ、そうだよ。なんかまずかったか?」
「い、いえ! 洗礼者としては当然の義務ですし判断だと存じます! ですがイザヤ様がそういう判断を自分から為したことは好ましいことですし大変光栄ですので諸手をあげて賛同するのが私ですよろしければそのままいてくださると速やかな機能回復の増強効果が望めますのでどうぞお願いします!」
 少年が呆気にとられるほどの早口で、人形がまくしたてる。
「えっと……つまりその、要するに、ここにいていいってことか?」
「は、はい。イザヤ様さえ問題なければ」
 かくかく、と人形がうなずく。
 いつも等速な人形の動作からすると、珍しいぎこちなさではあった。
「相変わらずポンコツだな、お前」

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九瀬イザヤ×ノウェム(イブ・カダモンシリーズ・EK-09h)
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「イスカリオテⅡ」
(三田誠著、アスキー・メディアワークス電撃文庫刊)
「第三章 ダビデ」(P.163~164)より
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 イザヤが絡んだ途端に論理的な言動ができなくなるとこをとれば確かにポンコツと言えなくもないですが(^^;

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