【迷場面0114】「はっ、失礼。ついつい悦に入ってしまいました」 [這いよれ!ニャル子さん]
「ちょっと待て、何で地球だけ特例なんだ」
「そこなんですよ。なぜ地球だけが特別厳しいのか。なぜ神話上のモチーフになるような大物連中がこんなへんぴなところまで来星したか。その理由が、これです」
ニャルラトホテプはテーブルの下に手を滑り込ませたかと思うと、どん、とテーブルの上に何かを置いた。
「お前がさっき買い散らかしたグッズじゃないか」
「オフコース」
美少女のイラストが描かれた襠(まち)付きの大型ビニール袋。かなり容積があるはずのそれが、パンパンに膨れている。中身は、アニメDVDボックス。ティーンズ小説。コミック。同人誌。サウンドトラックも入っているのかもしれない。とにかく、そういった類のグッズ。
「それが何だってんだ……ああ、こんなところで広げるな! 恍惚の目でパッケージを撫でるな! 頰擦りもするな! ケースを舐めるな! 早くしまえ!」
「はっ、失礼。ついつい悦に入ってしまいました」
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八坂真尋×ニャルラトホテプ
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「這いよれ! ニャル子さん」
(逢空万太著、ソフトバンククリエイティブGA文庫刊)
「1.第三種接近遭遇」(P.68~69)より
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邪神もやっぱり観賞用・保存用・布教用と3セット買うんでしょうか?(^^;
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