【迷場面0112】「愛を込めに来たのか、お前らは」 [這いよれ!ニャル子さん]
「どうしてって、理由なんかあるのか」
「いや、ないならないでよかったんですけど。でも考えてもみてくださいよ。神話大系の中の邪神群にしろ、そのモチーフになった我々にしろ、その活動範囲は宇宙規模なわけです。宇宙。英語で言うとユニバァァァスッ!」
「何でそこだけ力が入るんだ……」
嘆息する真尋だが、ニャルラトホテプの言葉は理解できるつもりだ。何しろ惑星保護を謳って専門機関まで結成するくらいのスケールである。それらの活動の範囲として考えれば、宇宙のほんの一部である太陽系程度に収まるようなものではないだろう。クトゥルー神話大系によれば、宇宙の中心部にもとびきりの邪神がいるのだから。宇宙だけならまだしも、異次元からの侵略者までいる。もっとも、ニャルラトホテプの言う「限りなくノンフィクションに基づいたフィクション」がどこまで正しいのかは定かではないが。
「そんなスケールの我々が、どうして揃いも揃って辺境銀河の片田舎の水の星に愛を込めに来たと思いますか?」
「愛を込めに来たのか、お前らは」
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八坂真尋×ニャルラトホテプ
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「這いよれ! ニャル子さん」
(逢空万太著、ソフトバンククリエイティブGA文庫刊)
「1.第三種接近遭遇」(P.68)より
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くちづけして命の灯を点すのかも(^^;
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