【迷場面0041】「『弘法筆で殺す』っていうじゃん」

「強くなりたい」
　ぎゅっと、持っている服を握りしめる。伸びた。
「強い武器が欲しいか？」
「ううん、違う。強い武器なんていらない。『弘法筆で殺す』っていうじゃん」
　神一郎は両手に筆を持ち、次々に敵を撲殺していく坊主を想像した。袈裟を翻し、颯爽となぎ倒していく様子は無駄にかっこよかった。

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天霧美琴×建代神一郞
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「藤堂家はカミガカリ」
「３．医者か帝王か」（P.112）より
（高遠豹介著、メディアワークス電撃文庫刊）
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　それなりにシリアスなシーン……のはず、なんですが、このコンビにかかるとなぜかコメディに早変わり。